カーボンニュートラルへ一歩踏み出すコンサルメディア » やさしいカーボンニュートラル用語・略語集 » J-クレジット制度

J-クレジット制度

このメディアは、株式会社豊国エコソリューションズの監修・取材協力のもとZenken株式会社が制作・運用しています。

目次

J-クレジット制度とは、再生エネルギーの活用などによる温室効果ガスの削減量や、適切な森林管理によるガス吸収量を、取引可能な「クレジット」として国が認証する制度です。自社が利用しないクレジットを売却したり、購入したクレジットをカーボンオフセットに充てるなど様々な活用が可能です。

J-クレジット制度ができた背景

2015年のCOP21でパリ協定が採択され、企業にも温室効果ガスの削減目標達成に向けた取り組みが求められています。しかし、どうしても削減が難しい温室効果ガスの排出量は、ほかの企業がカーボンオフセットによる「埋め合わせ」が必要不可欠。そこでJ-クレジットの活用が重要になっているのです。

J-クレジットの仕組み

J-クレジットを取り扱う人は、温室効果ガスの排出量削減などによりクレジットを創る「J-クレジット創出者」と、カーボンオフセットなどのため売買などでクレジットを入手する「J-クレジット購入者」の二者におおむね分けられます。

J-クレジットを創る手順

J-クレジットを創る「創設者」となる場合、自社で実施する温室効果ガス排出量の削減事業や吸収事業の計画について制度事務局の承認を受けた後、計画に基づいて削減量・吸収量を計算・計測するモニタリングが実施されます。審査機関による検証などを経て承認されると、J-クレジットの創出が承認されます。

J-クレジット創出の対象となる活動

J-クレジット創出の対象となっている活動は、排出量削減では照明のLED化や効率の高い空調設備への更新、太陽光発電の導入などが挙げられます。排出量吸収では、植林などによる森林面積の拡大や、間伐などによる森林の適切な維持管理などが該当します。

J-クレジットの取引

J-クレジット創出者は発行されたクレジットを売り出すことができ、希望する人は「購入者」になることができます。

取引には、売り手と買い手が制度事務局のWebサイトを通じてやり取りをする「相対取引」、仲介業者を通じて購入する「売買仲介」、政府が保有するクレジットを入札によって購入する「入札販売」の三つの方法があります。

購入したJ-クレジットの活用

温室効果ガスの排出量に関する報告が法律で義務付けられている企業や工場は、実際の排出量のうち、購入したJ-クレジットの該当量を相殺して報告することができます。同様の相殺は、SBTやRE100といった国際的なイニシアチブ・企業連合での排出量算出においても活用できます。

J-クレジットを活用していることを積極的に公表すれば、脱炭素経営に取り組んでいることをアピールし「環境ブランディング」につなげることができます。また、ESG投資を呼び込み、新たなビジネスチャンスを獲得する可能性もあります。

市場価格が比較的安定していることもメリットの一つです。

J-クレジットの注意点

J-クレジットの認証申請期間には期限があることに注意が必要です。認証の対象期間は、最長で2031年3月31日までとなっています。また、申請期限は認証対象期間が終了してから1年以内となっています。

また、J-クレジットは創出の種類によっては活用法が限られています。省エネ法の報告のための排出量相殺に活用したい場合は、省エネ由来のクレジットである必要があります。

J-クレジットの活用状況

J-クレジット制度事務局によると、2023年度までにJ-クレジットの認証回数は延べ1162回に達しました。入札は14回実施されるなど取引も活発で、全認証量の約半分が既にオフセット(埋め合わせ)のためなどに使われています。

関連ページ
本メディア監修
豊国エコソリューションズ
ついて
豊国エコソリューションズ公式サイト

引用元:豊国エコソリューションズ公式サイト(https://carbonneutral-hokoku.lp-essence.com/)

豊国エコソリューションズは、環境・エネルギー領域におけるソリューションを提案しているコンサルティング会社です。補助金・助成金を活用したコンサルティングの豊富な採択実績をはじめ、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)や排出権取引に関するサービスも提供しています。
有資格者数も多く、専門的かつ多角的なサポートを受けられるのも特徴。カーボンニュートラル分野での実績が豊富で、顧客のニーズを踏まえた提案を行っています。

豊国エコソリューションズは、省エネに関する補助金を活用した事業において、高い採択率・採択数の実績を有しています。補助事業の採択率は、2016年〜2020年9月の実績で94%を実現。提案した事業のほとんどが採択されています。一方、採択数も2011年〜2020年9月の累計で563件を数えるなど、豊富な実績を有しています。

カーボンニュートラル
無料診断情報
  • ①CO2 排出量の見える化(算定)
  • ②カーボンニュートラル取り組み状況のヒアリング
  • ③生産設備、ユーティリティ設備稼働状況の確認
  • ④脱炭素に向けた簡易アドバイス(※)を実施

※設備更新や補助金活用、再エネ導入検討、運用改善、SBT認証取得、製品・サービスのLCA実施などについて簡易的なアドバイスを行っています。